お知らせ

新型コロナウイルスワクチンに関する情報提供(第3報)2021.08.27

● 妊娠・授乳中の新型コロナウイルスワクチンの接種について
ファイザー社製とモデルナ社製ワクチンは、いずれもmRNAワクチンと呼ばれる新しいタイプのワクチンです。また、アストラゼネカ社製のワクチンは、ウイルスベクターワクチンです。これらのワクチンは、ウイルス等の毒性を弱めて作られた生ワクチンとは異なり、接種により新型コロナウイルスに感染することはありません。アストラゼネカ社製のワクチン接種後の血栓症は50歳未満の女性で多く報告されています。そのため、現段階では、ファイザー社製とモデルナ社製ワクチンをお勧めします。

● 妊娠中の方へ
新型コロナウイルスワクチンを妊娠中に接種した人の登録調査では、副反応の頻度は妊娠していない女性と同程度でした。また、流産、早産、死産、新生児の低体重、先天性異常の発生率はコロナ禍以前の調査結果と差がありませんでした。妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、感染していない妊婦と比べて重症化する割合、妊娠高血圧症候群や早産等が多くなります。また、妊婦のICU入院や新生児のNICU入院が増加すると報告されており、ワクチン接種のメリットがあると考えられています。妊娠中の方は時期を問わず、ワクチンを接種することをお勧めします。

● 授乳中の方へ
このワクチンの性質から、母乳移行量は非常に少ないと考えられています。実際にワクチン接種後の母乳移行について調べた研究では、母乳中にmRNAは検出されていません。また、授乳中のワクチン接種により、新生児が感染することはありません。これらのことから、授乳中のワクチン接種は可能です。また、授乳中にワクチン接種した場合、母乳中に抗体が移行し、授乳中の子供を感染から守る効果があることが期待されています。

● ワクチン接種時の注意点
新型コロナワクチン接種の予診票には、「現在妊娠している可能性はありますか。または授乳中ですか。」という項目がありますので、「はい」にチェックをお願いします。当院で妊婦健診を行っている方々、出産をされた方々におかれましては、妊娠中・授乳中でもワクチン接種を受けていただいて構いません。ワクチン接種時には、その旨を接種会場の問診医に伝えて、接種を受けてください。

● ワクチン副反応時の解熱鎮痛剤
ワクチン接種後、特に2回目接種後は、多くの人に発熱、頭痛、倦怠感などの副反応が起こります。これはワクチンに対する免疫反応のひとつで、数日で軽快します。接種後の発熱・頭痛に対して、妊娠中はアセトアミノフェンが使用可能です。薬局でお求めの場合は、「アセトアミノフェン単剤のもの」と薬剤師にお伝え下さい。授乳中はアセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェン・イブプロフェン等)が使用可能です。

● ワクチン後も予防策を
ワクチン接種により、感染や重症化の可能性を低く抑えることが期待されていますが、人混みを避ける、手洗いをする、外出時にはマスクをする等の予防策は大切です。

● 同居家族の方へ
妊婦が感染する場合の約8割は、夫やパートナーからの感染です。妊婦の夫またはパートナーの方も、ワクチンを接種することをお勧めします。


<関連サイト>
【 妊娠、授乳中の新型コロナワクチン接種について 】

新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチンについて


【 感染後のワクチン接種について 】

厚生労働省HP:新型コロナウイルスに感染したことのある人は、ワクチンを接種することはできますか

小阪産病院 2021年8月27日

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