下肢や骨盤内の静脈内に血栓(血液の塊)ができ、ひどくなると血液の流れを止めたり、時には肺塞栓という怖い病気を引き起こすこともあります。欧米では妊産婦死亡の最大原因になっており日本でも欧米化する食生活などで問題視されています。
産後や帝王切開の後は、血液が固まりやすくなる上子宮による血管の圧迫や障害、安静のしすぎ、などで血栓を形成しやすい状態になります。特に静脈瘤がある方はこの病気を起こしやすく高齢、肥満、脱水があるとより注意が必要です。帝王切開の後に起こりやすいので、当日から下肢の運動を心がけてください。
□表在性静脈血栓・・・ふくらはぎや大腿の表面の静脈が赤く腫れる症状。治療後、数日でラクになります。
□深在性静脈血栓・・・大腿内側(特に左側)に突然引きつるような痛みを感じ足全体が腫れあがり、歩行障害を起こします。この場合は肺塞栓の危険があり治療にも数週間かかります。
1.脂肪の取り過ぎに注意
2.タバコはやめる
3.きつい下着類を避け、ゆったりしたものを着用する
4.下肢のマッサージや適度な運動(産褥体操も含む)で血液の循環を促進する
5.心臓より15cm足を高くして寝る
※当院では上記の注意を励行し手術後には早期離床、マッサージ器の積極使用を、症状がある方には抗凝固剤点滴療法を心がけています。