【1】新生児の出血性疾患予防のためのビタミンK投与について

 ビタミンKは胎盤透過性が低いため、出生時の備蓄が少なく、また母乳中のビタミンK含有量が少ないことなどから新生児はビタミンK欠乏性出血症を発症しやすいことが知られています。新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症は、発症時期により臨床像が異なり、生後2週以降に発症する遅発型は頭蓋内出血をきたす症例が多く、生命予後および神経学的予後は不良です。

 そこで、新生児・乳児期早期のビタミンK出血性欠乏症の発症を予防するため、哺乳確立時から、新生児にビタミンK2シロップを投与することが必要となります。

ビタミンK2シロップの投与法については、3回法と3ヶ月法がありますが、3回法による投与を行ってもビタミンK欠乏性出血症を発症する症例がみられた一方、3ヶ月法を用いても問題となる副作用は報告されていないことから、日本小児科学会、日本産婦人科医会から3ヶ月法を推奨する報告が出されたことを受け、現在、当院においても、3ヶ月法による投与を採用しております。

<3ヶ月法による投与スケジュール>
 入院中に2回投与します。退院後は生後3ヶ月まで1週ごとに合計13回内服していただきます。但し、1ヶ月健診の時点で人工栄養が主体の場合は、それ以降の投与を中止していただいて構いません。
 ビタミンK2シロップの具体的な投与方法については、当院作成の「K2シロップの飲ませ方 >」の動画をご参照ください。

 前述のとおり、ビタミンKの予防的投与を行わない場合、ビタミンK2欠乏性出血症を予防することができず、頭蓋内出血をきたす可能性もありますので、当院としましては、ビタミンKの予防的投与(3ヶ月法による投与)を強く推奨いたします。

ビタミンK投与(3か月法)費用1,500円(税込)
※入院中の投与2回分を含む3ヶ月分の費用

【2】新生児の聴力検査について

【耳の聞こえにくさを早期に発見するための検査について】
 生まれてくる赤ちゃんの1000人のうち1~2名は、生まれつき耳が聞こえにくいと言われています。耳が聞こえにくい子どもの行動は正常な聴力を持った子どもの行動と見分けがつきにくく、言葉の遅れで耳の聞こえにくさに気づくのが1歳前後、難聴が発見されるのは平均2.5歳と言われています。それからの対応では、その後の言語の発達に影響が残ってしまい、また訓練もとても大変になってしまいます。

 耳が聞こえにくい場合、言語発達や情報の遮断による知能発達に困難が生じますが、難聴を早期に発見して適切な療育を行うことや、人工内耳の開発や補聴器の進歩などにより、これらの困難を最小限にできると言われています。

 当院では耳の聞こえにくさのある赤ちゃんを早期に発見するための検査として、自動聴性脳幹反応検査(AABR)を実施しております。これは、音が聞こえたときに出る脳波の一種を検査する方法です。安静にしている赤ちゃんの耳から小さな音を送り、短時間に安全に行える検査です。

 この検査できこえの反応が確認できるまで1~2回の検査を行い、精密検査が必要となった場合はさらに詳しい聴力検査が行える施設をご紹介しております。なお、この検査で異常がなかった場合でも、中耳炎や髄膜炎といった、生まれた後にかかる感染症による難聴や、先天性の原因でも後から難聴が出てくることもありますので、お子様の赤ちゃんの音への反応、ことばの発達には十分に注意してあげてください。

 当院ではこの聴覚検査をお受けになることをお勧めしますが、決して検査は強制ではありません。またこの検査に関する個人情報は他の目的には使用しませんし、お子様のプライバシーの確保には最新の注意を払います。

聴力検査費用5,000円(税込)

※お住まいの市町村によっては、公費による負担制度が存します。
負担費用は、市町村によって異なります。詳しくは、受付にてご確認ください。

【3】拡大新生児マススクリーニング検査について

  当院では従来の先天性代謝異常検査(新生児マススクリーニング検査)とは別に、ライソゾーム病を発見するための拡大マススクリーニング検査が受けられる分娩取り扱い医療機関となっています。2024年6月1日からライソゾーム病が新しく加わりました。
 検査費用は自己負担(下記参照)となりますが、ぜひとも検査をお受けになることをお勧めしています。この病気についての説明は、別途お渡ししている拡大新生児マススクリーニング検査のリーフレットをご覧ください。また、さらに詳しい内容に関しましては大阪府でこの検査を実施している施設である 「大阪母子医療センターホームページ >」 をご参照ください。(リンクURLは2024年5月28日時点)

拡大新生児マススクリーニング検査費用6,600円(税込)

※採血の費用及び大阪府立病院機構大阪母子センターへの検体送付料は、検査を希望される方の自己負担となります。

【4】心臓超音波スクリーニング検査について

  生まれてきた赤ちゃんは妊娠中に胎児超音波スクリーニング検査を受けています。
新生児の心臓超音波スクリーニング検査は、出生後数日以内に認められる明らかな異常がないかを確認する検査です。

心臓超音波スクリーニング検査費用
2,000円(税込)
※保険適応となる場合がございます。

公開日:2024年6月13日