検査の説明
婦人科
子宮頸がん検査(子宮頸部細胞診)
子宮頸部の細胞をやわらかいブラシでこすって採取し、顕微鏡で観察します。
通常痛みはあまりありませんが、検査後少量の出血があることがあります。
当院では細胞をスライドグラスに塗る従来法ではなく、液状化検体細胞診(LBC法)を採用しています。従来法ではブラシに残ったたくさんの細胞が破棄されてしまいますが、LBC法ではほぼ全ての細胞を利用できます。この方法では不適正標本が少なくなり、顕微鏡で細胞が観察しやすいため、診断の精度が向上すると言われています。また、HPV検査を同一の検体で行うことができます。
http://hologic.co.jp/pdf/thinprep_4_2.pdf
子宮体がん検査(子宮内膜細胞診)
子宮の奥の内膜細胞を採取し、顕微鏡で調べます。子宮の奥まで検査器具を挿入し、細胞を採取する必要があるため、多少の痛みを伴い、検査後に少量の出血が続くことがあります。また、人によっては子宮口が狭くなっており、器具が奥まで入らず、検査ができないことがあります。
子宮体がんは閉経前後から増加し、50~60歳代の方に多い病気ですが、最近では増加傾向にあります。出産していない、肥満、糖尿病、30歳以降に不規則月経であった、乳がん術後のタモキシフェン内服などが子宮体がんの高リスク因子となります。検査は医師の判断により実施します。検査には痛み、感染や穿孔のリスクを伴う為、子宮頸部がん検査とは異なり全ての方が対象となる検査ではありません。
超音波検査
通常婦人科では腟から超音波プローベを挿入し子宮や卵巣の状態を観察します。お腹の上からの超音波に比べ近くから観察でき、通常痛みもありません。経腟超音波が不可能な場合には肛門からの検査をすることもあります。内診では子宮や卵巣の腫瘍はある程度の大きさにならなければ分かりませんし、特に卵巣の腫瘍は症状がないことも多いため、超音波検査が有用です。ただし、卵巣の腫瘍の中には急に大きくなるものや、腫瘍は小さいのに急激にお腹の中に拡がるものもあるため、それらの出現を予測することはできません。
HPV検査
子宮頸がんの原因となるハイリスク型ヒトパピローマウィルスに感染しているかどうかを見るための検査で、細胞診のために取った細胞で同時に検査することが可能です。子宮頸がん検査と組み合わせて検診を行う(HPV併用検診)ことで、より正確に検査をすることができます。30歳以上の方に推奨されています。子宮頸部細胞診と両方が異常なければ、検査の間隔をあけることができます。細胞診で異常が無くても、HPVが感染していることがあり、その場合は1年後のHPV併用検診が推奨されます。
保険診療では細胞診の結果がASC-USであった方のみが対象となり、同時に検査はできません。
HPVタイピング検査
コルポスコープ下生検の結果、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN1-2)と診断された方が対象となります。HPVの型を調べることによって、今後子宮頸がんに移行するリスクを判定し、その後の検査の間隔や治療について決定します。
コルポスコープ(腟拡大鏡)検査
子宮頸がん検査で異常があった場合の精密検査です。子宮の入口(子宮頸部)を拡大し、詳しく観察しながら組織を数カ所鉗子でかじりとる組織検査を行います。細胞診で異常があった方、細胞診が正常でも2年連続HPV陽性であった方が対象となります。
精液検査
当院は精液検査測定器(SQA-iO)を導入しております。詳しくはこちらをご覧ください。検査をご希望の方はお問い合わせください。
乳腺外科
マンモグラフィー
マンモグラフィとは、 乳房のX線撮影のことです。乳房はやわらない組織でできているため、専用のX線撮影装置を使用します。乳がんの初期症状の1つである石灰化や腫瘍などを発見できます。乳がんをはじめ乳房にできる病気をほとんど見つけることができ、しこりとして触れないごく早期の乳がんも発見できる場合があります。 マンモグラフィはX線検査ですので放射線被曝がありますが、乳房だけの部分的なもので、被曝による危険性はほとんど心配ありません。撮影によって早期乳がんが発見できることのメリットの方がはるかに大きいと評価されています。また、マンモグラフィ撮影では乳房を圧迫板ではさみます。この際に痛みを感じることもありますが、痛みのレベルは個人差があります。これは、診断に必要な良い写真を撮るためには、とても重要なのです。乳房は立体的で厚みもあり、そのまま撮影すると乳腺や脂肪、血管などの重なりで、実際に腫瘍があっても写し出されないことがあります。検査にかかる時間は、約10分から15分程度です。
乳腺超音波検査
乳腺超音波検査(エコー)とは 人間の耳には聞こえない音を機械から発し、臓器に音を当てて返ってくる反射の様子を画像にしているものです。超音波を出す器具を直接乳房に乗せて動かし、写し出された画像を見ながら診断を行ないます。超音波は数ミリの手に触れないしこりを見つけ出すことができます。当院ではマンモグラフィ検査との併用をおすすめしています。また、放射線被曝を避けたい妊娠中の方、若年の方、乳房の圧迫に耐えられない方、強い乳腺症などで良好な撮影ができない方、頻繁に検査をする必要のある方などに超音波検査が適していますのでお勧めしています。
針生検・細胞診
マンモグラフィや超音波検査で何らかの所見があった場合には組織や細胞に穿刺を実施して組織や細胞を検査します。ほとんどのケースでこの検査により所見のあった部分の診断が可能です。
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